HOME朝礼での校長訓話祈り

祈り

 今からずっとずっと以前、沖縄の修学旅行には船で行っていました。まだ沖縄が日本に返還されていないときから、清風は修学旅行で沖縄に行っていたのです。沖縄まで長時間船に乗るわけで、船酔いする生徒が続出しました。そこで、困った先生はどうしたかというと、胃薬を渡して船酔いの特効薬だと言い聞かせて飲ませたそうです。すると、本当に船酔いが治ったというんですね。胃薬に胃の働きを整える効果はあったとしても、船酔いの特効薬としての効果はありません。だけど治ったのはなぜかというと、本人が特効薬だと思い込んで飲んだからですね。こういう効果のことをプラシーボ効果と言います。プラシーボ効果とは「思いの力」のことです。
 筑波大学に村上和雄という分子生物学の教授がいらっしゃって、ノーベル賞の候補にも挙げられた先生ですが、この村上先生が思いの力の凝縮である祈りには、もっと大きな力があるのではないかという研究をされています。
 以前、私がインドへ行ったとき、インドのお坊さんがおっしゃるには、朝の祈りはものすごく大切だということでした。みなさんが朝の時間に家で祈るというのは難しいかもしれませんね。学校へ行く準備や勉強で時間を取られる人も多いでしょう。でも、学校へ来れば、毎朝、般若心経をあげます。これが大切なのです。 
 ただ、その祈りを一日中覚えているかというと、そういうわけではないでしょう。私も朝、自宅で時間をかけて一生懸命にお経をあげますが、学校へ来て仕事を始めると、そのときのことは忘れてしまっています。学校のことを考えたり、生徒諸君のことを考えたり、いろいろやらなければならないことがあって、祈りのことは忘れてしまっています。でも、それはそれで構わないというのです。朝の祈りの時間をもつと、プラシーボ効果ではないけれども、それが自分の生き方とか、ちょっと大げさに聞こえるかもしれないけれども、自分の運命とか人生に自然と影響してくるというのです。
 もちろん一回きりでいいというわけではありません。しかし、私たちの学校は毎朝般若心経を唱えます。そのときに少しだけでいいから祈る。自分がこうありたい、自分がこうなったらいいのになあ、そういう風に祈る。祈ったあと、一日忘れてしまったとしても、それが自分の姿勢とか心に影響してくるのです。毎日やれば、それは確実に影響してくる。一日の間でその瞬間しか覚えていなかったとしても、それで構わない。必ず影響してくるのだということをインドで教わってからは、実行するようにしています。
 諸君も、せっかく清風へ来て、毎朝、般若心経をあげているのだから、その後に少しだけ、ほんの一瞬でいいから、こうなりたい、こういうふうにぜひなりますように、と、毎日少し祈るだけで必ず自分の心のありようとか、自分の生き方とかに影響してくると思います。
 よし実行してみようと思うなら、諸君もぜひ実行してもらいたいと思います。

HOME朝礼での校長訓話祈り