モンマス・スクール

 今春の三週間はまるで夢のようでした。イギリスという異郷の地で現地の人々と生活を共にし、様々なことを体験したことで、僕はこれまでに自分が生きた社会の小ささを、身をもって感じることができました。そして、言語・文化の違いを越えた人と人との温もりある繋がりを知ることができました。
 “Suguru,this is your home!!”ホストファーザーのケビンは開口一番にそう言ってくれました。旅の疲れとともに、イギリスでの生活に不安を感じていた僕の心を和ませてくれた彼の一言は忘れることができません。僕のホストファミリーには他にホストマザーのマリヤ、そしてパートナーのオーウェン、その妹のキャーレスがいました。家族は僕を家族の一員としてやさしく受けいれてくれ、そこにはいつも家族の温かみがありました。また、片言でゆっくりな僕の英語を、最後までじっと目を見つめながら聞いてくれたことが嬉しかったです。  ホストファミリーとは、カーディフにラグビーの試合を観に行ったり、西ウェールズの大自然の中でスキーをしたりと色々な場所へ行って色々なことをしました。また、ホストファーザーはどこに行っても、その場所のことについて、ゆっくりと丁寧に僕が理解できるまで説明してくれました。特に、イギリスを発つ前日、家族が見せてくれた青空のもとに映える大自然の景色は僕の一生の宝物です。
 一方、モンマススクールではクラーク先生をはじめとする多くの先生方が、僕たちのために授業をしたり、ロンドンやブリストル、ビッグピットに連れて行ってくれたりしました。学校内では、アート、サイエンス、コンピュータ、ヒストリー、クッキング、デザインテクノロジーなどの授業だけでなく、バドミントンやホッケー、ウォールクライミング、トランポリン、カヌーなど多くのスポーツも体験しました。初めてすることもたくさんあり、毎日とても楽しかったです。また、学校外でも、イギリスの古い住居の見学をしたり、鉄銅掘りをしていた地下に入っていって見学をしたりと、学ぶことがたくさんありました。  留学最終日。イギリスを発つべくバスに乗ってモンマスの町を出て行こうとする僕たちに最後まで大きく手を振ってくれていたホストファミリーたちの姿は今でも鮮明に覚えています。  この留学が終わった時、僕は日本、学校というものがとてもちっぽけに感じました。何が自分にそう思わせたのかは分かりませんでした。ただ、それでも、自分の生きてきた社会というものがいかに狭いものなのかを身をもって感じることができたのだと思います。これからはもっと英語を勉強して、いつか再びホストファミリーもとへ行き、今春のように楽しく生活を共にできれば嬉しいです。

清風学園 清風中学校・高等学校
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